
Oggiの読者イベントと韓国FILAの店舗内コートを比較。参加条件や料金の違い、成果を見る指標を整理します。自社企画では、体験の前後にどんな接点をつくるかまで考えましょう。
- 読者イベント型と店舗内体験型の違い
- 参加費と貸出料金を同じ条件で比べる方法
- 自社企画の試行手順と成果を測る際の注意点
ピックルボールを、商品を知ってもらう機会や、読者・顧客と会う場にできないか。そんな企画を考えるとき、参加人数の大きさだけでなく「体験の前後にどんな接点をつくるか」が検討の軸になります。
この記事では、小学館の女性メディアOggiによる読者イベントと、韓国FILAの店舗内コートを、公表された一次情報から整理します。両者はPICKLYの実施実績ではありません。集客・利用の数字は発表元によるもので、売上増加や継続参加を独立して検証したものではありません。
OggiとFILAでは何が違う?
Oggiは開催日を設けた読者との接点、FILAは店舗に組み込んだスポーツ体験です。
同じピックルボールでも、メディアの読者を集めるイベントと、買い物の場でコートを利用してもらう店舗では、運営条件も見るべき数字も異なります。まずは、この違いを分けて比較しましょう。
比較する点 | Oggi | FILA(韓国) |
|---|---|---|
体験の場所 | Sansanピックルボールコート池袋での読者向けイベント | ロッテワールドモールの店舗に設けたコート |
提供する機会 | 募集日・開催日を設けた体験会 | 体験、レッスン、コート貸切と商品販売 |
発表された初動 | 初回の定員60名に対して1,000人以上が応募 | 開業12日間の累計コート利用者約510人 |
比較時の注意 | 応募人数は実参加人数や再参加人数ではない | 累計利用者数は初心者数や購入者数ではない |
この表は規模の優劣を示すものではありません。応募と施設利用は異なる段階の数字なので、単純に並べて「どちらの集客力が高いか」とは判断できません。
Oggiは読者イベントをどう展開した?
初回の体験会を入口に、複数回の参加機会を案内しています。
Oggiの公式案内によると、2026年7月23日に初開催した体験会には、定員60名に対し1,000人以上の応募がありました。8月26日の発表では、読者からの開催を求める声を紹介し、9〜11月に毎月2回の体験会を開催する計画を告知しています。Oggiの継続開催に関する発表
初回の募集対象は女性で、初心者歓迎と案内されていました。インストラクターによる指導も企画に含まれています。ただし、初心者だけを集めたイベント、経験者と混ざらない運営、とまでは記されていません。初回の募集要項
10月15日公開の参加者レポートでは、第2回に初めて参加した筆者が、初対面の人と声を掛け合った体験を紹介しています。これは参加者一人の体験談であり、参加者全体の満足度や効果測定とは分けて読む必要があります。参加者による体験レポート
また、10月19日付の新しい案内では、11月20日・30日の開催予定が示されています。8月の予告とは11月の日程が異なるため、参加検討時には最新要項の確認が必要です。本記事は事例の整理であり、募集の受付状況を保証するものではありません。11月開催予定の案内
編集部が企画の参考にしたいのは、一度の開催で終わらず、次に参加できる機会を案内している点です。ただし、継続開催の事実と、同じ参加者が繰り返し来たかどうかは別の話です。自社で行う場合は、次回の申込人数だけでなく、初参加と再参加を分けて確認すると検討に役立ちます。
FILAは店舗とコートをどう組み合わせた?
商品を見る場所に、実際にプレーする場所を組み込んでいます。
韓国では2026年9月18日、ソウルのロッテワールドモール3階に「FILA PICKLEBALL CLUB」が開業しました。FILAを展開するミストコリアの公式発表では、全体78坪のうち47.5坪をコートに充てたとしています。これは当該店舗の空間配分であり、どの施設にも適用できる必要面積の基準ではありません。開業後の公式発表、所在階の公式案内
10月8日の発表によると、開業から12日間のコート累計利用者は約510人、同期間の来店者は約1,000人でした。体験プログラムに加えて、レッスンとコート貸切を提供しています。「初心者限定」ではなく、初めて触れる人からプレーを楽しみたい人までを想定した構成です。初動の利用状況に関する公式発表
編集部の見方では、販売スペースの一部を体験のために使う設計が注目点です。ただし、コート利用者数だけでは、商品購入への影響や、売場面積を減らした分の収益性は分かりません。自社で検討する際は、体験の利用状況と販売の動きを別々に測り、運営費も含めて評価する必要があります。
参加費は「値下げ」と単純比較してよい?
表示価格だけでなく、用具代と利用時間をそろえて比較します。
Oggiの募集要項には、回によって料金の含まれる範囲に違いがあります。下表は当時の案内の整理で、現在販売中のプラン一覧ではありません。
対象の案内 | 参加費 | 用具に関する条件 |
|---|---|---|
7月23日・初回 | 無料 | パドル・ボール貸出あり。シューズ貸出は1足1時間500円 |
9月14日・第2回 | 6,000円(税込) | パドル・ボール・シューズ貸出料を含む。各開催枠は2時間 |
10月30日・第5回の募集要項 | 3,980円(税込) | ボール貸出料のみ含む。パドル・シューズはそれぞれ1時間500円、開催枠は2時間 |
出典:初回要項、9月要項、第5回要項。2026年10月21日確認。
例えば第5回の要項を基に、パドルとシューズを両方2時間借りる場合、編集部による単純計算では3,980円+500円×2時間×2種類=5,980円になります。用具を持参する人とは負担が異なり、6,000円から3,980円への変化だけを見て大幅な値下げとは言えません。
参加しやすさが向上したか、継続参加につながったかも、この料金表だけでは判断できません。企業イベントでは、参加費、貸出料、必須の持ち物を募集時にまとめて示し、当日の追加負担や受付時の行き違いを減らすことを編集部として提案します。
自社のブランド体験に取り入れる手順は?
常設化を先に決めず、目的・対象・体験後の行動をそろえて試します。
以下は2事例の実施内容そのものではなく、自社企画に落とし込むための編集部提案です。
- 目的を一つ決める:新規顧客との接点、既存顧客との交流、商品体験など、今回優先する目的を定めます。集客人数だけを成功条件にしないようにします。
- 参加条件を具体化する:経験の有無、年齢等の対象、同伴可否、用具・服装、撮影の有無を明示します。「初心者歓迎」と「初心者限定」は使い分けます。
- 体験の量と運営負担を見積もる:会場、講師、受付、用具、保険、清掃等の項目を整理します。必要人数やレッスン時間は会場・対象・参加人数に合わせて決め、一律の講師数を置きません。
- 体験後の行動を用意する:次回案内、希望者への情報提供、商品を見る機会など、目的に合う導線を選びます。連絡先の取得目的と配信への同意を分かりやすく伝えます。
- 試行の結果で次を判断する:実参加、再参加、対応工数、費用を記録し、継続開催・内容変更・常設化の検討材料にします。無料回の応募数だけで有料開催の需要を決めないようにします。
店舗内にコートを設ける場合は、面積だけでなく、ボールの飛び出し、通行動線、音、建物・消防上の条件などを施設管理者や専門家と確認します。他店の面積配分を、そのまま自店舗の設計図として使うことはできません。
成果はどの数字で確かめる?
応募・参加・再参加・購入を、異なる段階として記録します。
編集部では、イベント型なら応募者数と実参加者数、欠席、初参加・再参加、次回の申込を分けて見ることを提案します。応募と参加の差が大きい場合は、告知だけでなく、当選後の案内や日時・料金条件も見直す対象です。
店舗型では、来店とコート利用に加え、レッスン・貸切の利用、スタッフ対応時間、関連商品の販売を分けて確認します。イベント前後に売上が変わっても、販促や季節要因など別の影響があり得るため、体験の効果と即断しないようにします。
費用は会場・用具等の支出だけでなく、準備や運営の工数も残します。参加者が多くても運営負担が続かない計画なら、枠数、案内方法、対象者などの再設計が必要です。
体験の前後まで含めて企画しよう
2事例の参考点は、ピックルボールを顧客と接する場にしていることです。
読者向けに日程を設ける方法もあれば、店舗で日常的に体験できる場をつくる方法もあります。自社の顧客、使える場所、運営体制に合わせ、参加の入口と体験後の導線を一緒に考えてみてください。
企業・ブランド向けのピックルボール体験イベントを検討している方は、PICKLYの企業向けイベント企画・運営の案内をご覧ください。目的、想定人数、希望時期、会場候補を整理してご相談いただくと、検討を進めやすくなります。